ハンズの店舗改装支援アプリを開発しました
こんにちは、MDグループです。
ハンズラボではハンズで使用されている様々な業務システムを開発しています。
その中でMD(マーチャンダイジング)システムの機能改善・保守開発を担当しているのが私たちです。
まずはMDシステムについて簡単に説明させてください。
商品の仕入れ・発注、在庫・売上や様々な伝票の管理などを幅広く行う基幹システムです。
ハンズの豊富な品揃えを支える、重要なシステムといえるでしょう。
機能改善・保守開発というと地味な印象がありますが、カバーしている業務範囲は広く、実は様々な案件を担当しています。
今回は、当グループで最近リリースした店舗改装支援アプリについての記事になります。
案件の背景
昨年ハンズのロゴが変わり、店舗のリニューアルが進められています。
この記事を書いている時点では、6月29日に新宿店がリニューアルオープンしました。
https://hands.net/season/renewal/
店舗改装の際に、新生ハンズのブランドメッセージにあわせた新コーナーも作られています。
新しいコーナーができるということは、品揃えが変わることでもあります。
これまでにあった商品を移動させ、新たに導入される商品の入れ替えが発生します。
商品の入れ替えは店内だけでなく他店へ移すなど様々な選択肢があり、確認にかなりの手間がかかっていました。
また、確認作業は専用端末を使用していましたが、更新がリアルタイムではないという課題もありました。
スタッフがリアルタイム、かつスピーディに商品の行き先を確認できるようにしたい。
端末はPDA(業務用端末。ハンズではiPhone SEを使用しています)に一元化したい、というのがハンズの要望でした。
案件への取り組み
この要望を受けて、ハンズ・ハンズラボとで、改装に向けてどうすれば手早く要望を満たせるかを検討しました。検討の結果、以下の2つの案で決めることになりました。
- 既存機能の一部を改修する
- 新しい機能として実装するか
改装を進める中で、期間限定の機能、かつ柔軟に要望に応えられることから「新しい機能として実装する」ことで決定をしました。
本来であれば、DBなどで「商品をどのように取り扱うのか」についての情報を管理し、それらの読み書きのためのアプリケーションを作成するところですが、
今回については、以下の条件がありました。
- とにかく早く現場がこの機能を必要としている
- 情報の更新をより簡易に行いたい
- 情報としては、単純なもの(1商品について数項目の情報)であるが、レコード数が多い
完成形
条件を満たすために、情報の管理はGoogle スプレッドシート管理として、担当者が直接シートを編集することとし、そのシートを読み取る新画面と、GoogleAppScriptを組み合わせました。
担当者が編集するシートは以下のようなもので、ご覧の通り膨大なレコード数になります。
PDAで直接このシートを参照して該当SKUの情報を検索するのは困難なので、
PDAにすでに実装されている、iPhone SEのカメラを用いてバーコードを読み取る機能を利用して、
実際の商品のバーコードをPDAで読み取る
↓
GoogleAppScriptがシートを参照して該当商品の情報を返す
↓
PDAの画面に表示
という簡易アプリを作成しました(商品名称や在庫数などは既存の別APIを利用して取得しています)
GoogleAppScriptをブラウザ上でコーディングするのは不便なので、ローカルで開発可能なclaspを利用しています。
改装期間中だけ用いる簡易的なアプリケーションということで、
データはスプレッドシートの編集を通じてユーザーが管理することとして、運用側と合意し、
開発側はアプリケーション機能に集中してスピーディーに実装することができました。
最後に
最近では、これまで以上に要求・要件をハンズ側と一緒に考え、案件に取り組む事例が増えてきました。案件開始前に、実際に店舗に訪問して現状を理解して、リリース後は再度店舗に訪問して使い勝手などのフィードバックを受けてアプリに反映していくという取り組みも出てきています。
内製開発ならではの醍醐味を感じています!
当グループも含めて、ハンズラボはまだまだメンバー募集中ですので、興味がある方はHPの採用ページからご応募ください。お待ちしております