エンジニア

2023.01.06

ふりかえり手法を考えてみました 〜またはいかに2022年のふりかえりをふりかえったか〜

ふりかえり手法を考えてみました 〜またはいかに2022年のふりかえりをふりかえったか〜

振り返っているキャラクターのイラストを描きました ✨

過去にこんな👇記事を書いたあるがです。こんにちは。
自分でふりかえりを考えて実施してみました

自分はボードゲームのルールなどを考えるのが好きなので、
このふりかえり手法も楽しんで作っております。

とはいえ、0から作るのはなかなかに難しいため、
先人のお力添えをいただきながら、自分なりに混ぜ合わせて作っております。

今回作ってみたのは「ふりかえりカタログ」※ の中から、「あたりまえ探し」
というものを自分なりに発展させたものです。


目次


・前提として

・なぜ「あたりまえ探し」を手法に取り入れたの?

・Figjam で作ってみた

・実際にこのふりかえりでふりかえってみたふりかえり

・最後に個人的な感想を


前提として


私が思うふりかえりというのは、楽しそうと思いながら始め、
気分良く終わりたいと思っていて
さらにゲーム感覚で行いたいと思っております。

そこでこんなことを考えておりました。

  • ふりかえり終わりにポジティブ(優越感)を感じられるようにしたい
  • 自分やチームのやれること、得意なことを再認識して、次やることにつなげたい
  • 無意識にしてしまっていることを意識化して改善につなげたい
  • チームと個人で当たり前にできていることを一覧化してみたい
  • 他チームに対するアピールポイントや、個人個人でできそうな案件の
    割り振りを考えてみるきっかけにしたい

さて、今回参考にさせていただいた、「あたりまえ探し」という手法は
チームにとってあたりまえなことを付箋で上げて、共通リスト化する
というものになっております。


なぜ「あたりまえ探し」を手法に取り入れたの?


これをすることによって得られる効果としては、
チームのいいところに気づけたり、アイデアを発言するハードルがさがる
といったものがあるそうです。

私はここの「チームのいいところに気づけたり」を着目しました。
個人で行ったこと、わかったこと、気をつけたいことや
チーム内で感謝を伝えあうことは、毎週のふりかえり時間で出せているのですが、
チームのいいところを出すって、ポロッと話の流れ出て来ていても、
明文化、リスト化されてないかもと思い、これは結構面白そう、と思いました。

また、あたりまえとは、自分が無意識に行っていることでして
その無意識に出来ているものって、結構自分の強みになっていると思うんですよね。

あと、無意識にしてしまっていることもあらためて意識化すれば、
改善するきっかけにもなるのではないかと思って、
あえて「あたりまえ=無意識」を掘り起こしてみることを考えてみました。

さらに、あたりまえに思っていることって、あたりまえゆえに
あえて言わずにいて、実はそれが他の人にとっては有益になるかもしれない
という思いもあります。

それが、「あたりまえ探し」の中にあった「アイデアを発言するハードルがさがる」
ということなのかもしれません。
みんなで、あたりまえに思っていることをあえて、思いつく限り出してみるのって
それはそれで面白そう、とも思いました。


Figjam で作ってみた


Figjam という、オンライン共有ツールであたりまえ探しを元に
自分なりのふりかえりルールを作ってみました!

まずリーダー(ふりかえり師匠)に一回見せて解説しつつ、
意見をもらい、ブラッシュアップしました。

リーダーからは、こんな意見をいただきました。

- 師は言われた。当たり前という前提で考えると、意見が出にくそうなので、思い浮かんだものを全部出してみて、それを当たり前に割り振ってみるのはどうだろう。と。

- 我の問いかけ(次回のトライを出すところがあやふやなのでどうしたらいいか)に、師は言われた。チームの良さを出すことで終えて良い。チーム成長につながれば無理にトライがでなくても良い。課題整理というより、チームビルディングという考えのもと、このふりかえりをすれば良い。と。

- 我の問いかけ(1時間以内に収めたいところだが)に、師は言われた。ファシリテーターがすべてを仕切りだすと、意見が出づらく、メンバーは作業感覚に陥りやすいので、ざっくりと仕切るくらいが丁度良い。時間は1時間に収めようとしなくても良い。と。

- 師は言われた。ふりかえりはファシリテーターではなく、チームが作るもの。むしろファシリテーターはチームの意見を広げてあげるくらいがちょうど良い。と。

- 我の問いかけ(大人数になった場合はやはりファシリテーターは仕切るのか)に、師は言われた。アジャイルとはそもそも少人数で行うもの。ふりかえりもアジャイルに沿って、少人数を前提として、多くなった場合は機能ごとに分割してそれぞれが行うのが良いだろう。と。

- 最後に師は言われた。チーム全体が有益になるような、締めの項目はどうするか、考える必要がある。と。

こういった助言をいただき、下記のように作りましたのでご覧ください。

2. やったことやっていることをあるだけ出す [約20分]
- ふりかえりの期間は特に設けません
- 事実ベースでも、プラス・マイナスの感情が含まれていても構いません
- 業務に直接関係なくてもかまいませんがなるべく業務の範囲内で

3. 個人・チームであたりまえになっているものを割り振る [約10分]
- 緑の枠に個人で当たり前にしていること
- 黄の枠にチームで当たり前にしていること
- 各々が割り振っていく

4. 自分の出したあたりまえの中 ’以外’ から良いと思ったもの [約10分]
- いくつでもスタンプを押してください

5. 自分の強み・チームの強みのベスト3を考える [35分]
- 4. のスタンプを元に全員で会話をしながら、チームメンバーそれぞれの強みベスト3とチームの強みベスト3を出す


実際にこのふりかえりでふりかえってみたふりかえり


結果は以下になります!

2. やったことやっていることをあるだけ出す [約20分]
- ふりかえりの期間は特に設けません
- 事実ベースでも、プラス・マイナスの感情が含まれていても構いません
- 業務に直接関係なくてもかまいませんがなるべく業務の範囲内で

ここは、ふりかえり直前で
「年末なので、どうせならこの一年の総ふりかえりにしよう」と思い立ち
その旨、メンバーに伝えると、
楽しみながら今年一年のふりかえり結果を見てもらえたようです。

つまり、いままで行ったふりかえりで出てきた意見の中から気になるものを
ピックアップする形に急遽変更しました。

こんなにやってたんですよ(この画像の下もさらに続きます)

さらに、自分の意見を自分がピックアップするイメージをしていましたが
やりながら、誰の意見でも好きなだけピックアップするほうが面白そうなのでそうしました。

また、プラスの感情だけに舵を切りました。
マイナス感情がでてくると、ふりかえりの内容が煩雑になる可能性があったので
シンプルにプラスだけを抽出するようにしました。

業務に関係ないこともちらほらふりかえりには出ていたので
いろんな内容で、各々が気になる過去の付箋を集めてきました。

過去のふりかえりを見返すのが楽しかったので、時間は30分ほど使いました。
なんせ、過去のふりかえり量が多かったので、
ピックアップや色分けが手間取りました。

その後、ピックアップした理由を、
対象の付箋を見ながら、各々発表する時間を設けました。

3. 個人・チームであたりまえになっているものを割り振る [約10分]
- 緑の枠に個人で当たり前にしていること
- 黄の枠にチームで当たり前にしていること
- 各々が割り振っていく

ここでは、あたりまえになっているものではなく
プラス感情に倒すため、「個人やチームであたりまえにできていること」としました。

また、割り振るとして考えていましたが、2でピックアップしたものの
理由をそれぞれが解説しているときに、そのピックアップ理由こそが、
「あたりまえにできていること」の内容そのものだと思い、
3では二度手間になってしまいましたが、2の発表時に口頭で言った内容を、
個人、チームで分けながらあらためて付箋に書き込んでもらいました。

ここで、それぞれあらためて解説していただく時間を設けましたが、
3の全体の感想をそれぞれ言ってもらう、でも良かったかもしれません。

4. 自分の出したあたりまえの中 ’以外’ から良いと思ったもの [約10分]
- いくつでもスタンプを押してください

ここも、かなり変えたところでして、
3の段階でほぼこのふりかえりの意図(全員の強みを出すこと)は
完了していたのでどうしましょうかと、皆さんに相談しました。

では、それぞれが一票だけ持って、自分以外で良い強みに賞をあげる感覚で
スタンプを押したらどうだろう、というアイデアを頂き、行いました。

ここも頂いたアイデアのおかげで、かなり盛り上がることができました。

5. 自分の強み・チームの強みのベスト3を考える [35分]
- 4. のスタンプを元に全員で会話をしながら、チームメンバーそれぞれの強みベスト3とチームの強みベスト3を出す

ここでは、賞を贈呈した理由だったり、全体を見返してみての感想だったり
ゴールし終えたあとのウイニングランのような(?)心持ちで話し合いました。

チームメンバーからは、良い感想をたくさん頂けました。
自己肯定感が上がるという意見を頂けたのはとても嬉しかったです。

最終的に出来上がったルールとしては、こんな感じになります。

2. やったことを過去のふりかえりから 持ってきて、自分の付箋の色に変える [約30分]
- ふりかえりの期間は特に設けません
- 事実ベースでも、プラス・マイナスの感情が含まれていても構いません
- 業務に直接関係なくてもかまいませんがなるべく業務の範囲内で

3. 個人・チームであたりまえにできてるものを考えてみる [約10分]
- 緑の枠に個人で当たり前にしていること
- 黄の枠にチームで当たり前にしていること
- 各々やったことから割り振ってもいいし、新たに書き込んでもいい

4. 自分の出したあたりまえの中’以外’から良いと思ったものにスタンプ(賞)を贈呈 [約10分]
- 一つだけスタンプを押してください

5. 賞を贈った理由をそれぞれ発表 [10分]
- 全体の見回しての感想が含まれていれもかまいません


最後に個人的な感想を


ガイドブックを読まずにほぼ独学で始めたため、
リーダーからの助言はとても参考になりました。
(まず本を読みなさいというところなのですが、ある程度体験した後の答え合わせとして
 ガイドブックを読みたいと思います)

また、今回のふりかえりを実施する前はかなり不安でした。
当たり前なことを出して、当たり前な一覧にまとまったところで、はぁまぁ…こいうこと…だよね
みたいな、特に良くも悪くもない雰囲気で終わってしまうのではないだろうか、と。

実際には、チームメンバーが積極的に参加してくれて、意見をもらえたことで、なんとかなりました。
これに関しては感謝しかありません。

あとは、今年一年のふりかえりを行う、というお祭り感はとても良いものでしたので
もし、このふりかえりを行いたい方は1年の総ふりかえり(無限自己肯定感爆上げ列車編)という
くくりで開催するのが良いかもしれません。

それでも、気になる点はいくつかありました。

  • 過去のものを見渡す時間と、それをピッキングする作業は地味に面倒だった
  • 上のブロックでも書きましたが、2でそれぞれ発表した内容を3のエリアに記載する人がいても良かったのかな、と思った
  • 我チームは積極性や発言力があってなりたった感があったが、他のチームの場合だとどうなのだろうという、現状このふりかえりにおいてのデータ不足感は否めない

来年の年末に、もしまたこのふりかえりを開催する機会があれば、ここに記したく思う。
その時は、また違った感想がでてくることであろう。

私はキーボードを打つ手を止め、窓の外を見やった。

寒空の下、鳥たちは人間の自粛ムードを上昇気流にして羽ばたいている。

虫たちは地中深くに宿を取り、長い長い休暇を迎えているだろう。

いずれまた、暖かい空気に誘われて、

青々とした草木や色とりどりの花々が咲くのである。

人々はまた、笑顔を見せ合いながら語り合うのだろう。

そしてまた、私はキーボードのFとJに人差し指を置き、文章を画面に映し出すのだろう。

あたりまえのように。


ここまで読んでいただきありがとうございました!

ハンズラボでブログを書いてみたくなったら、エントリーフォームからエントリーして、
ハンズラボで一緒に仕事をしましょう!

ふりかえりについてもお話しましょう。

ここまで読んでいただいてありがとうございました!
最後に、より会社的、技術的なブログは過去記事(とくにここ!とか、ここ!)に
たくさんありますので、どうかそちらを読んでくださいませ!

※ ふりかえりカタログの詳細はこちらこちらからご覧ください。
  数々のふりかえり手法を考えておられて、大変参考になっております。
  ありがとうございます。

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