スマートスピーカー勉強会リーダーズセッション参加レポート!
こんにちは、エンジニアの松本です。
LINE Clova用スキル開発キット、「Clova Extensions Kit」(以下CEK)が公開されましたね。
これでClovaもAlexaやGoogleアシスタントのように、サードパーティーによるカスタムスキル開発ができるようになりました!
そして8/7(水)、スキルストアもオープン!
弊社も「東急ハンズ」スキルを開発いたしましたのでぜひご確認ください。
Alexa版「ハンズ」スキルと比較すると、機能は絞って、VUX向上のための工夫を入れてリニューアルいたしました。
また、CEKお披露目会として7月29日に開催された、スマートスピーカー勉強会 〜LINE Clovaスキル開発ハンズオン&人気アプリのスピーカー登壇〜に参加してきましたのでレポートいたします!
関連タグ:#Clova_CEK #linebootawards
内容が盛りだくさんだったのでセッションパートとハンズオンパートにブログをわけて、
ハンズオンパートはこちらのQiita記事で簡単に解説したいと思います。
LINE 小城さんからCEKオープンに寄せての基調講演
What is CEK?
Clovaではいわゆるスキルのことを「Extension」と呼んでいます。
つまりClova Extensions Kitは、AlexaでいうところのASK、
Clovaのスキル開発および配布する際に必要なツールとインターフェースを提供してくれるプラットフォームのことです。
CEKについてはこちらの公式ブログ記事でも要点がまとめられています。
最近のアップデート状況ピックアップ
- WAVE, Duoがカスタムスキルに対応!
- LINEとのチャネル連携!
まだまだやりたいことがたくさんで、どんどんアップデート予定とのこと。
たのしみですね!
LINE 立花さんからイベント告知とハンズオン
LINE BOOT AWARDS2018
続いては、LINE BOOT AWARDS2018のお知らせです。
グランプリ作品は1000万円!!!
LINE BOOT AWARDSでは例年のことのようですが、しかし目を疑うような賞金額!!!
「音声アシスタントスキルは儲かるのか?」ということを繰り返しみんなで話している段階で、この数字を発表するのはほんとにすごいなと思わされました。
世をスマスピ時代にしてやるぞ!という強い意志を感じる・・・。
スポンサーも引き続き募集中とのことです!
【応募要件】
Clova ExtentionsKit(ClovaSDK)またはMessaging API、
もしくはその両方を利用していること
8月上旬 | 募集開始 |
10月10日(水) | 申込み締切 |
11月10日(土) | 決勝戦開催 |
Clovaスキル ハンズオン
今回のハンズオンはCEKを使用して占いスキルを作るというものでした。
コーディング部分はgitから取得することで省略、
サーバーの用意はherokuというプラットフォームを使用することで手軽にできるので
gitと一般的なCLIにある程度親しんでいる方なら資料を見てスキルを作ってみることができるのではないでしょうか。
ぜひチャレンジ!
→【入門】CEKでのClovaスキル開発ポイントまとめ
→当日資料
リーダーズセッション・・・の前に
本日のスポンサーはForkwellさんでした。
最近よくイベントスポンサーで見かけるForkwellさん、
Twitterとかで「また出たなForkwell」と言われるようになってきてるらしい・・・笑
リーダーズセッション① コバヤシトールさん / VoiceAppLab
トップバッターはVoiceAppLabのコバヤシトールさん。
「お願いサンタ」というスキルの開発をされているのですが
これが本当に素敵なので、ぜひここから参考動画を見てほしい・・・!
VUIはGUIに比べて情報伝達に時間がかかり、ユーザーの興味を維持しにくいところがあります。
そこで、VUIスキルにアトラクション感、没入感をプラスして考えられたのが上記のスキル。
実績として去年の11月からクリスマスまでの1ヶ月で、なんと5000人から利用されたそうです!
すごい!
設計当初、子供からのリクエストをリクエスト送り先にメールするため、
アカウントリンクを利用することも検討されていたそうですが
敷居を下げるために特定の合言葉を利用する方法に変更した、というお話が印象的でした。
こういった工夫のひとつひとつが重要ですね。
また、アトラクション感を演出するにはやはり音のエフェクトを活用すべし!
ということでMacユーザーであれば音声編集ソフトにはGarageBandがおすすめだそうです。
SSMLタグよりもっぱら音声編集で調整しているとのことでした。
リーダーズセッション② 山田良明さん / クックパッド
料理というハンズフリーで作業ができて嬉しいシーンで活躍するクックパッドさんのお話。
「タブレットと比較したときの液晶つきスマスピの価値」について「固定の位置にある、ということに価値があると思う」「固定電話と携帯電話みたいな関係になりそう」と、鋭くて冷静な意見が大変興味深かったです。
そしてシナリオ設計でおすすめされていた方法が「スマートスピーカーごっこ」
スマートスピーカー役のひとに視覚情報を与えないため、
スピーカーフォン越しでやりとりするというところがおもしろいですね。
かなり有効そうなのでぜひやってみたい!
リーダーズセッション③ 緒方憲太郎さん / Voicy
最近なにかとニュースや話題になっているボイスメディア「Voicy」
広告費はかけていないにもかかわらず、口コミの力でアプリランキングニュースカテゴリ8位!
スマスピ関連で事業が成り立っている数少ない企業ということでかなり注目されています。
VUI + 体験デザイン = VUX が重要で、想いを届けるのはやっぱり声!
ただし、淡々としたアシスタント音声ではなく生声が大事ということで
Voicyさんがスキル開発の提案する際には生声を推奨させてもらっているということでした。
生声、たしかに欲しいけどコンテンツ運営していく上で素材の調達とかどうしているのかもっと詳しくきいてみたいです!
シナリオを設計する上では、「聞きたいと思うか」「そのタイミングでどのような音声が出るかユーザーが予測できるか」といったことがVUXにつながるとのこと。
個人的には、特に「予測できるか」というところは重要だなと感じています。
予想できないと聞き取りづらくなってしまうし、繰り返しユーザーに聞き返させることはVUXを低下させてしまいます。
普段の会話では無意識に行っている予測ができるように、シナリオに反映させていくことがポイントになるのではないでしょうか。
リーダーズセッション④ 山本武尊さん / SmartHacks
セッションタイトルの悲壮感がすごいですね・・・笑
スマートスピーカー対応アプリを網羅したSmartHacks DataBankをもしまだご覧になったことのない方がいらっしゃったらぜひ見てみてください。
信じがたいほどのスピードで更新されていて、「これってどんなスキルかな?」と思ったときすぐデモ動画を見てみることができる大変ありがたいコンテンツです。
現在お一人でデモ動画を撮影されているとのことで、切実なセッションタイトルでした・・・。
VUX最低ラインを明確にお話いただけて、とても参考になりました。
開発者の皆さん、下記の4つだけは意識して開発しましょう!
1.決まった定型文でないと聞き取ってくれないのはつらい
ユーザーの発話を柔軟に聞き取れるよう、様々なパターンのサンプル発話を登録しましょう。
30パターン以上が良いとされています。
2.複数の情報が必要なとき、情報が不足していたらその部分だけ聞き返して補おう
例えば、飲み物を注文するスキルで「飲み物の種類」と「数量」のスロット情報が必要な場合。
ユーザー「コーヒーください」
AI 「情報不足です!飲み物の種類と数量を答えてください!やり直し!」
ユーザー「2つください」
AI 「情報不足です!飲み物の種類と数量を答えてください!やり直し!」
ユーザー「コーヒーを2つください・・・」
_人人人人_
> <
> つらい <
> <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄
ユーザー「コーヒーください」
AI 「コーヒーですね、いくつ注文しますか?」
ユーザー「2つ」
♡♡♡♡
♡ ♡
♡ Happy! ♡
♡ ♡
♡♡♡♡
3.具体的な発話例をあげるなど、ある程度ユーザーの発話を誘導しよう
ユーザーが何を言えばいいかわからず沈黙してしまわないようにすることはとても重要です。
シナリオを工夫して、時には具体的に「〜〜と言ってみてください」などの発話例をあげながら、ユーザーを誘導しましょう。
このときユーザーが誘導されていると感じずに、自然に会話しているように感じさせられるかがVUXのポイントです。
4.スキル起動時のセリフにそのスキルがどんなスキルなのか一言入れよう
スキルを呼び出したときの最初のセリフには、スキルの名前と機能の説明があると親切です。
これだけでスキルを使用したときの満足度はまるっきり変わってくるとのこと。
おまけ
なんと最後にClova Friends 4台のプレゼントがありました!
じゃんけんによる争奪戦でみごとゲットされた皆さん、おめでとうございます!!
イベントに参加して
盛りだくさんの豪華ゲストをお招きしたイベントとあって、懇親会も大変盛り上がっていました。
登壇者の皆さんもおっしゃっていましたが、今の音声アシスタントスキルの進化・普及の様子はスマホアプリの進化過程に酷似していて、きっとこれからどんどん盛り上がって、一般的に使われるようになるんだろうと思います。
「発展のためには文化が必要。文化を作るのはプラットフォーム提供者・開発者・ユーザーの全員です」というLINE小城さんの言葉を胸に、今後も色々挑戦できたらと思います。