世界一周ビジネスの素 vol.2
Vol.2キリマンジャロ登頂と富士山の世界遺産登録
旅するwebマーケッター、西井敏恭さんの連載コラム第2回!
好評の第一回は⇒こちら
アフリカ大陸最高峰、標高5,895mのキリマンジャロに登ってきました。
簡単に書きましたが、けっこう死にそうな思いで登りました。
乾季だとそれほどでもないようですが、
ちょうど雨季の終わりというのは気温も下がり、
山頂部では氷点下10度とかの中、風もびゅんびゅん吹いて
あー、死ぬかと思った。
何度か気を失いかけました(笑)
ちなみにキリマンジャロは私のような登山経験がほとんどない人でも
一応登ることができる山です。今だから言えますが、行ってよかったです。
でも、もう二度と登りません。
さて、キリマンジャロの登山。
実は欧米人に人気で、上記のとおり、本格的な登山家でなくても、
トレッカーたちが数多く挑戦していて、年間で3万人が挑む
人気観光スポットです。
※そのうち登頂者は1万人程度。観光というにはハードすぎますが。
私は現地にきて、ここでツアー会社に申し込みをして、
ガイドやポーターを雇い、テントから食事の準備まですべて準備しました。
4件ほどツアー会社を回ったのですが、日本のガイドブックに掲載されている会社は
最終的に私が申し込んだ会社の価格の2倍以上。
※キリマンジャロ登頂にはガイド2名、ポーター4名、コックとアシスタントなど複数名で登ります
もちろん、安ければいいというわけではなく、安いは安いなりにサービスが悪かったりするのだと
思われますが、登山でテントで寝泊まりして、キャンプする場所も一緒だとすると、
2倍の価格差(約3万円)は何かといえば安心料金なのかもしれません。
日本人って、日本のガイドブックに出ているだけで安心、出ていないと不安。
まあ、私もそうですが。
ツアー会社を数社まわると、全然ガイドブックに出ていない会社などには
安心してもらうために、過去の参加者に感想を書いてもらうノートなどが準備されています。
「ここのガイドはいい人でとてもよかったです」
「料金は安いけど、サービスもあまり期待しないほうがいいです」
など。基本的に英語で書いてある場合も多いですが、日本語で書いている人もいて、
ノートを見ると、
「この会社は詐欺なので気をつけてください」
とか書いてある。ツアー会社は日本語読めないので嬉しそうにそんな文章を見せてくるわけです。
話はそれましたが、要は過去の経験者の口コミ=安心、というのは世界共通なんですね。
あと、キリマンジャロ登山をビジネスにしている会社にとって、現地の人はわざわざキリマンジャロに登ったりしないので、お客様はすべて外国人です。海外の人に対して、どうビジネスすべきかをよく知っている。
英語で話せすのはもちろん、価格表や地図なども英語の対応。日本語を話す人もいる。
自分たちの一方的な情報だけでなく、
同じ国の人の意見は安心だから感想ノートを準備している。
※タンザニアでは日本の中古車がたくさん走っていて、ツアーのバスもそのまま使われていたりします。
さて、日本でも富士山が世界遺産に登録されました。
おそらく今まで国内で世界遺産に登録された場所の中でも、
海外の知名度では一番だと思われる富士山が登録されたことで、
観光ビジネスのチャンスが増えたと思われます。
ホテルやガイドなどが英語や中国語に対応するなども重要ですが、
その前に情報の他言語化とWEBの対応も重要だと思います。
日本や中国では海外に行くのはツアーが一般的だったりしますが、
欧米各国では個人でのフリープランが中心です。
自分で情報を調べて、自分で旅行をアレンジする。
富士山登頂のルートはどこがいいか。
東京からはどのように行けばいいか。
途中に楽しめる観光地は他にないか。
もちろん、現在も対応しているWEBサイトもありますが、
情報がすべて一方通行なんです。
食べログのようなユーザーが投稿して
情報の質を高めていくようなサイト(CGM、UGM)があってもいいかと。
例えば日本人にとってお風呂や畳は当たり前の事ですが、
文化が違えば、情報って変わってくるわけです。
「OH、ココノHOTELノ部屋ハTATAMIダッタゼ、JAPANノ文化を味ワッテLUCKY」
というのもあれば、
「部屋ニ入ロウトシタラ、女将ガシューズヲヌゲトイウ。クレイジーダ」
とかいう口コミが出てくるわけです。
もちろん、マイナスの口コミをみて、旅館側も張り紙をしたり、
日本文化に対する理解を説明するなど、しっかりと対応すればいい口コミも増える。
口コミだけでなく、そもそも海外の人からみたサービス面も向上できます。
高層ビルや地下鉄などに代表される近未来的な都市東京と、
風光明媚で古典的な「日本らしい」文化が味わえる鎌倉や富士山が
電車でたったの数時間。
日本は観光資源としては実は世界有数だったりするわけです。
「来た人」の対応をするだけでなく「来る人」の対応をする事で、
もっとたくさんのビジネスチャンスがあるかもしれません。