大阪、茨木市−−
昇降機(エレベータ、エスカレータ)を製造するフジテック株式会社のオフィス、「ビッグフィット」がこの地にある。
私も拝聴したGoogle Atmosphere Tokyo 2015の基調講演にて、フジテックの現場感のある登壇内容は、アンケートでも平均点を大幅に超える評価を観客から得た。
登壇者の執行役員 情報システム部 部長の友岡賢二さんに直接お話を伺うべく、この地に来たのであった。

^{フジテックのキャラクター、テッキーと。}

 
ーーGoogle Apps導入についての基調講演とっても面白かったです。今後こういうことをやっていきたい、というものは何かあるのでしょうか。
エレベータの据付や保守の作業手順を動画でネット配信したい。YouTubeとかでスマホで簡単に見れたらいいね。
ーー（しばらくして、同じく情報システム部の石岡さん、宮西さんが登場）
（Google Atmosphereの）基調講演の台本では彼女の名前を出す予定はなかったんだけど、ステージ上で咄嗟に思いついて「石岡」という名前をしゃべったんだ。
実在の一人の人物だということを、皆さんに感じて欲しいから。

ーー情報システム部に対しての思いを聞かせてください。
僕は、「情報システム部」が主語として語られる記事の大半は間違いだと思っているし、そもそも興味がない。情報システム部は組織の境界が溶けてなくなるのが僕の理想。
例えば、情報システム部が「基幹システム」とか言ってるけど、企業が価値を生み出している基幹業務は基幹システムの外側にあったりする。そういった業務をしっかり支えなければならない。
ウェアラブルの時代が先に見えているけど、向こう5年はスマホが中心だと考えている。
建設の現場、工場の現場、営業の現場、それぞれの現場で使われるシステムにこそ価値があり、それこそが基幹システム。だからモバイル対応は強化していこうと思っている。
コミュニケーション、情報の伝達をもっと良くしたい。SNSやチャットの導入などについても、現場のリアリティーに僕たちが温度感を合わせることがすごく重要。
ーーまさに、Google Atmosphereで語られた「答えは現場にある」ということですね。
僕はよく企業のCIOの方と話すんだけど、クラウド移行やBYODの話をするとすぐにリスクの話しになる。リスクはすべてダメという態度がほとんどで、「どのリスクを取るべきか」という話しにならない。
「あんたが責任取ったらええだけやん」と言ってあげている（笑）。
ーー「フレンドリーエバンジェリスト」として基調講演で紹介された石岡さんも、後に開催されたセッションでBYODについてお話しされていましたね。
石岡さん：GoogleAppsもBYODも、導入するのは大変でした（笑）なんとかお願いしますと頼みこんで、やっとやってもらえたような感じです。
でも、実際にBYODをやった人が「けっこういいですね」なんて言って気に入ってくれて、内心ガッツポーズでした（笑）
ーーとびきりの笑顔で答えてくれた石岡さん。友岡さんも、「観察して考えることが大切。彼女はそれを実行してくれた」と語る。
また、ちょうどこの日は社内勉強会(全国据付・改修技能競技大会)が開催されている日で、Hangoutsを利用して宮西さんが自身のスマートフォンで見せてくれた。
作業着を着た方たちが、わいわいがやがやと作業に取り組んでいる様子が見える。なんとも楽しそうである。
宮西さん：前職ではガチガチだった制約がフジテックにはない。今、自由にできている。とても楽しいです。
ーー宮西さんも、実際に現場に行かれていましたね。
宮西さん：はい、真冬の現場に同行して、「こんな環境でみんな働いているんだ」 と驚きました。
友岡さん：エレベータはビル建設の工程の中でかなり早い工程で作られます。
外壁や窓などがまだない状況で作業するから、真夏や真冬などは本当に大変。食事を取るスペースなどもとても手狭なことが多い。タフな環境下で働いている現場の仲間をITで支援したい。
ーーまさにそれこそが実際の現場の状況なのですね。
マニュアル公開やモバイル活用、すでに始めているChromebook導入など、ますます前進するフジテック。
メディアに取り上げられても、誰かが何かを言っても、貫く意志が見えた。
《フジテック株式会社》http://www.fujitec.co.jp/
《編集後記》取材後は、なんと社員食堂へ！友岡さんから事前に「社員食堂に行きましょう」とお話を頂いていたものの、驚き。
社員のみなさんの「おや…？」という視線を感じつつ、おうどんをご馳走に。揚げ物やハンバーグなど、うどん以外のメニューも豊富！

さすがフレンドリーエバンジェリストの石岡さんが、近くにいた営業さんをその場で撮影にスカウト。記念撮影。

 
左から、石岡さん、友岡さん、宮西さん、筆者(青木)
 
フジテックのみなさん、そしてキャラクターのテッキー、本当にありがとうございました！
《参考記事》
IT Leaders「答えは現場にある」、フジテックのGoogle Apps for Work導入を成功に導いた使い方とは
ビジネス＋IT 小学生の息子からヒントを得てワークスタイル改革　フジテックCIOが語る「働き方2.0」
 

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