【導入事例】二葉計器株式会社様 AWSとSORACOMを利用したIoTタクシーデータ配信システム
【はじめに】
タクシーメーターのメーカーである二葉計器株式会社様からのご依頼により、タクシーに搭載されるメーターに対してモバイル回線を利用してデータ送受信を行うシステムの構築をお手伝いさせていただきました。
お客様の課題や弊社が解決した課題など、導入事例としてご紹介いたします。
【お客様の業務課題】
1.タクシーメーターのデータ更新
タクシーの運賃は法律により規定されており、運賃改定の都度タクシーメーター内に保持されている運賃テーブルを更新する必要があります。更新データはSDカード等を利用してメーターに対し1台ずつ適用していく運用だったため、作業負荷が高いものとなっておりました。
2.リアルタイムなタクシーメーターのデータ管理
タクシーの売上や労務管理データはタクシーメーターに保存されています。これらのデータを集約管理するシステムはすでに存在していましたが、その内容を確認するためには一度事業所に戻ってデータ連携を行う必要があり、リアルタイムでタクシーの売上状況や走行距離等を知ることは不可能でした。
【弊社が解決した課題】
1.モバイル回線を利用したデータ更新
二葉計器様と共同開発を行い、タクシーメーターとクラウドをモバイル回線で接続して更新用データを配布する機能を実装いたしました。別途開発したWEB画面より更新用データを登録することで、自動的にタクシーメーターにデータが配信されるようになりました。
2.リアルタイムの売上や労務データ管理
タクシーメーターにモバイル回線を通じて売上や労務データを送信する機能を追加していただきました。合わせて、送信されたデータを定期的に集計してWEB画面に表示する機能を弊社側で実装いたしました。これによりリアルタイムに近い形で各タクシーの売上状況や走行距離等を確認できるようになりました。
【構成とポイント】
AWSのサービスとSORACOMのサービスを活用したIoT環境を実装いたしました。
1.更新データ問い合わせ
SORACOM Beam と Amazon API Gatewayを連携させて更新問い合わせAPIを実装しています。メーター側から定期的に問い合わせしていただき更新ファイルの有無を返答しています。SORACOMの署名ヘッダを利用してAPIの認証を行うことで、高レベルなセキュリティ環境を実現しています。
2.更新データダウンロード
WEB画面からSORACOM Harvest Files に更新データをアップロードしています。メーター側は、データ更新がある場合に前述の更新問い合わせAPIから返答されるダウンロード用URLを使用してダウンロードを行います。
3.売上/労務データリアルタイム送信
売上/労務データはデータ件数が非常に多いことが予想されましたので、SORACOM Funnel と Amazon Kinesis Data Firehose を連携させた大量のデータ受信に耐えうる環境を実装しています。さらにRDBへの書き込み前のクッションとしてオンデマンドモードの Amazon DynamoDB を配置することで堅牢性を高めています。
4.その他
WEB/APIサーバーは AWS Elastic Beanstalk を利用して柔軟な構成変更に対応できるよう構築してあります。GitHubとの連携も実装し、迅速なアプリケーション開発を行えるよう環境を整備してあります。RDBMSはマルチAZ構成の Amazon Aurora(MySQL) を採用しています。
【最後に】
弊社ハンズラボは、日常業務でお困りの課題をAWSを活用し、解決いたします。
IoTシステムの他、小売業務にも精通しているエンジニアも多数在籍しておりますので、お困りの際は何なりとご相談いただけると幸いです。
お力になれる日を心待ちにしております。
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