Fintechって?「TechLION vol.24〜EC・決済最新動向に迫る〜」に参加しました
こんにちは、青木です。
USP研究所が主催している「TechLION vol.24〜EC・決済最新動向に迫る〜」に参加してまいりました!「ECが進んでいくと、エンジニアリングの部分も大事」とは司会の馮さんの言葉。EC・決済、そしてFintechに迫るTechLION vol.24の様子をレポートします。
「日本におけるFintech事業への関わり方について」えふしん/藤川真一 さん
ネットショップのプラットフォームBASE、EC利用者向けID決済サービスPAY.JPを提供しているBASE株式会社のCTO、藤川さんからスタート。「Fintechってなんなんだ?」から現在携わってる事業そしてその思いをお話しいただきました。
「Fintechってなんなんだ?」
金融×テクノロジーと一言で言っても、Fintechの内容は実はさまざま。
- 個人財務管理
- 融資
- 決済
- 投資支援
- 経営・業務支援
- 暗号通貨、ブロックチェーン
「Fintech革命」を読めば全部わかります!とのお話も。必読のようです。
なぜスタートアップに注目が集まるのか
このようにFintechを活用したサービスが多く出ている中で、なぜスタートアップに注目が集まるのか。その解は「海外においていかれないようにというのが正直あると思う」と藤川さん。
- スタートアップの人たちがwebのクロールを頑張ってつくっている
- 技術でAPIがなければできないことをクローリングで解決→これをやったのがマネーフォワード
- スタンダートになってくるとAPI作らざるを得ない
- いかに銀行間で簡単に繋ぐか?
このスライドで「BASEは左側(独自手段・決済)にいければいいかなと思っている」
既存の金融事業をインターネットを使って代用してしまおう
この人は悪いことしそう、しなさそうというのが機械でできる。ここが大事。この人逃げそうだとか(笑)
ブロックチェーン、いいんじゃないかと言われているが?
- この人が譲りましたとかそういうハッシュをためていくと、ハッシュのテクノロジーの集大成ができる。
- 公開されていることがポイント=改ざんされていない
- 台帳の概念が初めからある
- 公開されたStaticな情報で検証できるということは中央集権のネットワークでなくてもいいのではないか?
- 分散して管理できる。UXがすごく大事。アイディアも大事。
機械化、自動化のパラダイム
- 機械化しないととてもじゃないけど回らない人たちをテクノロジーで解決
- 低所得者の人にお金を貸すときにいかに楽に与信するか
- ビットコイン。貨幣価値が不安定な国であれば自国通貨を使うよりビットコインでドルとか買う方が安定しているのでは?それまでの金融技術が完成している国だと規制の関係などで難しい
- 現状の儲けどころは、高利貸し
- ビットコインは「金(ゴールド)」に例えられる。発掘するもの。(宝林さん)
ビットコインは日本では普及するのか?
- 普及するのがまだわからない
- 日本では免許証一枚で消費者金融でお金を借りることができる国。信用システムがしっかりしている
- 儲からない。既存産業を破壊する。破壊的なものは入りにくい
- UBERがアメリカの問題をいろいろ解決したが、日本には日本交通などがある。UBERは日本では「高いタクシー」。こういう現状が起きそう。Airbnbとか。
Before Fintech
「楽天カードはFintechの成功例」と藤川さん。
- フリーランスの人に優しい
- 他のカードで当たり前にできることができない
- 枠から外れた人はばんばん止めちゃう
- 基本リボ払い!金利を稼ぐ
- グループシナジー(楽天グループ)→周辺ビジネスへの展開
- サブプライム的な高利貸し。既存のところがやれていない運用とデータ解析でカバーしている
BASE社におけるFintechとの関わり
- 「PAY.JP」はクレジット決済サービス。REST APIでできる
- 「BASE」 は無料でできるネットショップサービス。簡単に使えるようにしたい
- 「BASE」ない機能が多い。シンプルな画面でお店をつくることができる
- プラグインはある
- インターネットの入り口になる!
- 手数料が高いのもNG。超絶薄利多売。
PAY.JPが「仲介する」
- インターネットを介せばお金を直接払わなくてもモノが買える?
- 手数料をゼロに近づけたい
今と、これから
—CTOではない仕事を多くこなしている藤川さん。
- カード会社さんに後ろについてもらっている
- クレジットカードの審査は厳しい。審査の中で現実的に起こることを考えている
- 信頼性の担保
- お金の流れも大事(誰かがお金を払わなかった…不正の取り立てをする…)
- お金を払った段階でそれ(流れ)がわかればいい。そういったことを実現したい
- テクノロジーはすごく大事
- ビックデータ解析。PAY.JP 加盟店として入ってくれているお店がデータを集める。自動的にできる。花形の技術が重要
- ユーザーエクスペリエンスの構築。大きなところでは難しい。そこを期待されている「○○銀行(大手の銀行)が始めました」では、話が大きすぎる。何千万人が対象とかになってしまう→大変
- スタートアップならスケールできる。グロース。
- ミッションクリティカル性とスピード。矛盾しているが、技術力でカバーできるはず!
BASEが見ている世界
- BASE鶴岡(CEOの鶴岡裕太氏)はエンジニアではない。周りが助けている
- ユーザーエクスペリエンスは大事
- BASEはCMS的なアプローチ。マーケティング検知を助けた
- PayPal使ってサービス作ったが、PayPalでは海外の判断ひとつで止めてしまう可能性がある
- 英語でのハードネゴシエーションがきつい
- カード会社に協力してもらった。BASEへのある種の信用
- テクノロジードリブンだけだときついかもしれない
- テクノロジードリブンならまだ未開の地を。例:ブロックチェーンなど、人力では補えないところ
- UX。インターネットを味方につける。ビットコインまで含めるといろいろある
メッセージ
- IoT が2015年、FinTechが2016年としたら…。
- たくさんの人に何かを提供するのがインターネットの世界
—「まるで学校の授業のような」セッションとは司会の法林さんの言葉。まさにそのとおりの丁寧で細やかなセッションでした。BASEへの思い、実現していきたい世界を見せてもらえた気がします。
ECのダークサイド。カード詐欺の実態と対策 亀山誠さん&稲数裕之さん
次のセッションは、社名を一度聞くと忘れない、「かっこ株式会社」の亀山さん・稲数さんがご登壇。「不正者は賢い!とんでもないものを盗みます」と、泥棒ではなくルパンであるとご説明。ポイント及びアジェンダはこの3つ。
- ダークサイドの具体例
- 基礎知識
- 備える
まず、亀山さんのご経歴。「ヤフオクが好きすぎて不正対策の道へ、その後アマゾン(日本)の不正対策のチームの立ち上げに携わるも、英語しゃべれなくて思った活躍ができず…この会社(かっこ株式会社)を発見してジョインしました」さすがです。
現状はどうなのか、カードの不正使用
- クレジットカード不正使用被害額は増加傾向
- アメリカはこの数十倍の規模
手口の例〜ID/PWの使い回しを狙ったもの〜
- フィッシングサイトが主に使われる。90%はヤフージャパンを使っている?
- セキュリティコード(4桁の数字)、秘密の質問
- ID/PW使いまわしている方がほとんど…
- クレカ情報販売サイトがある…安いものは2ドルで買えちゃいます。(具体例であがっていたのはロシアの老舗サイトでした)
クレジットカード決済で悪用されるポイント
- カードオーソリ
- カードが有効か無効かなど、簡単な与信
- カード情報は容易に受け取ることができる
後払い決済で悪用されるポイント
- 後払い=商品が到着した後にお金を払うというもの
- カードよりもっと不正が簡単!
- カード情報を仕入れることもなく、いい加減な住所を入力してしまえば、与信が通ることがある
- 「EC万引き」と呼んでいる
- 後払いは民事的にうっかり言いやすい 学生・主婦がやらかしてしまう
—ここで、「フィッシングサイト以外にも注意して欲しいものがある」ともう一点。
検索で出てきたのは、人気高級ブランドの激安サイト。これに登録すると情報全部とられるという。
こういったサイトの特徴は、以下の2点。
- 掲載商品のお値段がすごく安い
- 日本語がおかしい
—例のサイトでは振込先の銀行名が「日本銀行」…。それでもひっかかる人はいるそうです…。
最低限やっておきたい不正対策
- 被害を拡大しないことが大切(素人には不正を見分けるのは難しい)
- ブラックリストを活用(怪しいユーザー、大量購入しているなど、アラートを立てる)保険がきくことも。
- デバイスフィンガープリントなど、変えづらい情報でマッチングする
—しかしそれだけでは、初回を防げない、同一ユーザーが情報を変えてくるなど、対処できないケースも出てきています。そこでO-PLUXの出番!と最後は綺麗にPRで締めくくられたのでした。
アクトツーの加藤さま、また登壇者全員でのディスカッションは次回記事で登場します!